
白ワインで、「魚に合う白ワインを探せ」第1弾。
今回飲んだのは、熊本ワインファームの「ナイアガラ2022」です。
日本ワインのイベントを行っているとよく聞かれるのが
「このワインは魚に合いますか?」
という質問です。
📝 プチコラム:魚とワインで、生臭くなるのはなぜ?
「白ワインなら魚に合う」とは、実は限りません。
ワインに含まれるごく微量の鉄が、魚介の脂の酸化を進めると、生臭さが強調されてしまうことがあります。
ポイントは「赤か白か」ではなく、ワインに含まれる鉄の量なのだそうです。
くわしい仕組みと、私の試し方はこちらにまとめました。
🍷 ナイアガラらしい香りと、残された甘さ
ナイアガラらしい華やかな香りが、かなり強く感じられます。
そして、飲んでみるとしっかり甘い。
ナイアガラのワインがいつも甘いわけではなく、甘さを残さずに造られることもあります。
このワインは、甘さを残して造られているようです。
冷えていても甘いのですが、温度が上がるにつれて、蜂蜜のような甘さをより強く感じました。

正直、この時点では、
「これ、食事に合わせるの難しくない?」
と思っています。
でも、今回の目的は、このワインに最高のおつまみを探すことではありません。
以前から気になっていた、
「どの白ワインと魚を合わせると、私は本当に生臭いと感じるのか?」
を試してみます。
熊本ワインファームは、1999年創業の熊本市のワイナリーです。ナイアガラでは、甘口の白ワインとスパークリングワインが造られています。
🐟 まずは刺身。……あれ、生臭くない

最初は刺身から。
恐る恐るナイアガラを飲んでみましたが、
全然、生臭くない。
むしろ意外だったのは、単体ではかなり甘く感じていたワインなのに、刺身のあとでは酸味が少し前に出てきたこと。
「これなら食事と一緒でもいけるかも」
と思いました。
ただ、2口、3口と続けているうちに、その酸味はあまり目立たなくなってきます。
ここで気づいたのが、温度。
開栓して買い物に出かけたりしているうちに、ワインが少し温まっていました。
しっかり冷えていると酸を感じやすく、温度が上がると甘さが強くなる。
このあたりから、ワインの温度も気にしながら試すことにしました。
ちなみに私は、刺身をあまりご飯と一緒に食べません。
一切れ食べて、一度口の中をリセットして、また次を食べる。
だから、甘いワインによって刺身の余韻が消えても、「ワインに負けた」というより、口の中をリセットしてくれたように感じたのかもしれません。
これは完全に、私の食べ方との相性かもしれません。
🥫 焼さばのみぞれ煮。生臭くない。でも合わない
次は、缶詰の焼さば みぞれ煮。

これ、単体ではおいしいんです。
味付けはかなり優しく、ほんのり甘い。
ところが、ナイアガラを合わせると、
生臭くはない。でも、合わせたいとは思わない。
ワインの方が強くて、みぞれ煮の優しい味が消えてしまいます。
念のため、よく冷えた状態のワインでも再挑戦。
確かに、酸味は少し感じるようになりました。
それでも、
「おいしい」は別の話。
刺身では余韻が消えることを「口直し」と感じたのに、みぞれ煮では「料理が消えた」と感じる。
同じ現象でも、料理によって受け取り方が全然違うようです。
🍅 トマトサーディンは、意外と悪くない
続いて、いわしのトマト煮。
このトマトソースが、かなり甘い。
そのままパスタやピザに使えそうな、ちょっとピザソースを思わせるような甘さです。
ところが、よく冷やしたナイアガラを合わせてみると、
あれ? 悪くない。
ワインの甘さの奥から酸味がふっと出てきて、ワイン単体よりすっきり飲めます。
そして、みぞれ煮との大きな違いがありました。
ワインを飲んだあとにも、トマト煮の味がちゃんと口の中に残っている。
ワインが、料理を消してしまわないんです。
ただし、ここでも温度が上がると酸味が目立たなくなり、また甘さが前面に出てきました。
どうやらこのナイアガラ、私には温度による印象の変化がかなり大きいようです。
🍄 秋なので、きのこご飯+紅鮭も
これは毎回の実験メニューではなく、秋の特別枠。
きのこご飯に、紅鮭を合わせました。

ご飯は、バター醤油味。
これ自体が、まずおいしい。
ナイアガラも、一緒に飲めます。
飲めるんですが……
ベストマッチではない。
喧嘩はしないし、魚の嫌な生臭さが出ることもありません。
でも、「この料理だからこのワインを飲みたい」とまでは感じませんでした。
📝 ここまで、魚は全部「生臭くない」
ここで、当初の目的に戻ります。
今回試したのは、
- 刺身
- 焼さばのみぞれ煮
- トマトサーディン
- 紅鮭入りのきのこご飯
少なくとも、今回のナイアガラ2022と私の組み合わせでは、魚を生臭いとは感じませんでした。
ただし、これは「全部ペアリング成功」という意味ではありません。
今回かなりはっきり分かったのは、
「生臭くならない」と「一緒に食べるとおいしい」は、別物。
みぞれ煮のように、魚臭さはまったく出なくても、「ワインが料理に勝ってしまう」と感じる組み合わせもありました。
これは、次のワインでも試してみたいところです。
🧀 ところで、この甘いナイアガラには何が合う?
魚の実験とは別に、気になってきました。
じゃあ、このワイン自体をおいしく飲むなら、何を合わせる?
そこで用意したのが、
ルヴァンクラッカー+クリームチーズ。
さらに、
- 焼き栗
- 甘栗
- ダークチェリージャム
- ブルーベリージャム
を試します。

🫐 ジャムはおいしい。でも、ワインとは合わなかった
ダークチェリーもブルーベリーも、クリームチーズ+クラッカーとして食べれば、普通においしい。
ところが、ナイアガラを飲むと、
ワインの甘さが消えて、酸味が前に出る。
さらに私には、少し苦味まで感じられました。
トマトサーディンのときも酸味が前に出ましたが、あちらはそれによってワインがすっきりして「悪くない」。
今回は、違います。
ワインが、おいしくなくなってしまう。
同じ「ワインの甘さが弱くなる」でも、それがプラスになるとは限らないようです。
🌰 最後に試したのは、栗でした
そして、栗。
最初はクリームチーズの上に載せただけだったのですが、栗の存在感が弱い。
そこで、栗を砕いて、クリームチーズの中にしっかり混ぜ込んでみました。
これが正解。

焼き栗はほろほろと柔らかく、クリームチーズとなじんで食感が自然。
甘栗は焼き栗より甘みがあるので、栗の味そのものを感じやすい。
どちらも、甲乙つけがたいくらいおいしかったです。
そして何より、
ナイアガラに合う。
栗の自然で控えめな甘さのあとにナイアガラを飲むと、今度はワイン自身の甘さが、きれいに感じられます。
ジャムではワインの甘さが消えてしまったのに、栗では逆に、ワインの甘さがおいしくなる。
面白い。
しかも、完成した栗+クリームチーズ+クラッカーは、思っていたほど「デザート」ではありませんでした。
普通のチーズなどと一緒に並べて、軽食やワインのおつまみとして出てきても違和感がない味。
今回いろいろ試した中では、これが一番「このナイアガラと一緒に食べたい」と思える組み合わせでした。
✅ 今回の結論
「甘口のナイアガラに、魚なんて合うの?」
そんなところから始めた、今回の実験。
結果は、意外でした。
魚は、一度も生臭く感じませんでした。
でも、
生臭くない=ペアリング成功、ではない。
料理の味をワインが消してしまうこともあれば、口直しとして心地よく感じることもある。
料理によってワインの酸味が出て、それがおいしく感じる場合もあれば、苦味まで感じて「これは違う」と思うこともある。
そして最後に一番気に入ったのは、
砕いた栗+クリームチーズ+クラッカー。
魚との相性を調べるつもりだったのに、最後は栗に着地しました(笑)
「魚に合う白ワインを探せ」第1弾。
「白ワインと魚は生臭くなるのか?」については、少なくとも今回はならなかった。
次は違う白ワインでも、同じように刺身と魚の缶詰を用意して、試してみようと思います。
そして、栗クリームチーズは――
これは普通に、また作ります。
🍷 このワイナリーのワインについて
熊本ワインファームの「ナイアガラ」は、私が関わっているオンラインショップでも取り扱っています。
冒頭の写真のアヒルたちは、そのショップの子たちです。
ショップで品切れになっている場合は、お気軽にご相談ください。
※本記事の味の感想は、すべて筆者個人が実際に飲んで感じたものです。
※商品やワイナリーの情報は、熊本ワインファーム株式会社 公式サイトの記載にもとづいています。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
※お酒は適量を、体調に合わせてお楽しみください。
※記事内で紹介しているオンラインショップの運営に、筆者が関わっています。
